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冬来りなば春遠からじ1

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季節

みどり

毎日寒いわね。

さすが最強寒波最強寒波立春も過ぎたというのに寒いです。

季節といえば,英単語と日本語の単語1対1対応だったら英語の勉強,もっと楽なんだけどなぁ。

春,夏,秋,冬spring, summer, autumn, winter みたいに。

あきな
みどり

西洋語同士ならそれに近いんでしょうね。だから向こうの人が西洋語を覚えるのは楽だと思うわ。東洋とは全く文化が違うからね。

でも,確かに季節1対1対応ではあるけど,「」と「spring」の意味は同じですか?

えっ? 春は春じゃないですか? あっ,もしかして spring には「バネ」の意味があるじゃない,という話ですか?

あきな
みどり

いいえ,違います。季節の話をしています。要するに「」の意味するところと「spring」の意味するところが同じかどうか,という話です。

春夏秋冬をどういうふうに定義づけていますか?

えっ,季節の定義ですかぁ????

一番暑い時期が夏一番寒い時期が冬,その間のちょうどいい気温の時期が春と秋,じゃないですか?

あきな

旧暦と月の公転

みどり

まあ,正解は後回しにして,昔の日本の暦の話をしましょう。いわゆる旧暦はどういう暦ですか?

旧暦? 太陰暦ですよね。

あきな
みどり

いいえ,正確には太陽太陰暦ですね。

新月から新月まで1ヶ月とします。およそ 29.5 日です。

そうかあ,月の公転周期29.5 日かぁ。

あきな
みどり

あら,違うわよ。1ヶ月の間に地球は太陽のまわりを \( \displaystyle \frac{1}{12} \) 回っています。だから新月から新月までは 30度余計に,つまり390度回らなければいけません。だから月の公転周期は \( \displaystyle 29.5 \times \frac{360}{390} = 27.23 \) になります。ラフな計算だけど,実際の公転周期27.3 日なのでまあまあでしょう。

太陽系の成り立ち

惑星公転とか自転とかって,方向はみんな同じなんですか?

あきな
みどり

基本的にはみな同じです。太陽系ができるときに水素やヘリウムのガス円盤状に同じ方向に回っていて,中心部が太陽に,周辺が惑星になったわけだから,持っている角運動量が同じ方向だからね。惑星の公転は皆太陽の自転と同じ方向だし,基本的には自転の方向も一緒。衛星の公転の方向も一緒。(北極の方向から見ると反時計回り

天王星

でも天王星って,自転軸が真横に寝てますよね。

あきな
みどり

はい。太陽系生成の初期,惑星生成の後期巨大衝突で横になったと考えられています。

なぜ太陽系生成の初期だとわかるのですか?

あきな
みどり

はい。衛星自転と同じ向きに赤道面上に公転しているので,太陽系生成初期巨大衝突同時にできたと考えられています。

そっかあ。まだ衛星ができる前に巨大衝突があったことを意味しているわけですね。

あきな
みどり

も,初期に巨大衝突でできたと考えられています。地球の一部が引きちぎられてになったのです。って裏側を見ることができないでしょ。これは公転周期自転周期が完璧に一致していることを意味しています。もちろん偶然でこんなことにはなりません。ができたときに,密度の大きな物質が地球の引力に引っ張られて地球側が重くなったのだと思います。だから常にそちら側を地球に向けている。の探査でそういう証拠もこれから集まってくるでしょう。

惑星は,岩石を主成分とした小型地球型惑星水星,金星,地球,火星),その外側に水素,ヘリウムガスを主成分とした大型木星型惑星木星,土星),さらにその外側にある氷を主成分とした中型海王星型惑星天王星,海王星)に分けられrます。

地球型惑星木星型惑星というのは習いましたが,海王星型惑星というのは初めて聞きました。

逆向きに公転する惑星などというものは存在しないのですかね?

あきな
みどり

太陽系外の惑星系では逆らって公転している惑星も一定数発見されていて、その原因が議論されています。私の考えでは,はぐれ星があって,それがトラップされるとそういうことがありうるんじゃないかしら。

東工大の井田茂らは,2020 年,Nature Astronomy 誌に,地球型惑星木星型惑星と異なり,海王星型惑星では,巨大衝突により,水蒸気円盤が広がり,それが凝縮して衛星が形成されるというモデルを提出しています。下の図はそのモデルに基づいたコンピュータ・シミュレーションの結果です。

蒸発円盤進化モデルにもとづいたコンピュータ・シミュレーション結果と実際の天王星衛星の分布

1日の定義と地球の自転

みどり

ところで,地球の自転周期は何時間ですか?

ええ? 24時間でしょ。

あきな
みどり

あらっ,学習しない子ねえ。1日の間に地球は \( \displaystyle \frac{1}{365} \) 太陽のまわりを回っています。
だから1日にほぼ1度回るとして計算すると, \( \displaystyle 24 \times \frac{360}{361} = 23.9335 \) 日になります。時間に直すと23時間56分です。

そうかあ。24時間じゃなかったんだ,地球の自転周期

あきな
みどり

実は,1日の定義には2種類あって,太陽日恒星日と言います。我々が今使っているのは太陽日で,太陽が南中してから次に南中するまでを1日とします。(これが24時間です)もう一つは恒星が南中してから次の南中までを1日とするもので,これを恒星日と言います。(つまり地球の自転周期23時間56分ですね)

あれっ,太陽日恒星日で違いが出ますか?

あきな
みどり

だから,地球の公転の影響恒星には出ないけど,太陽には出ちゃうのよ。だから1年の間に地球は実は366回自転しているのです。恒星日を使うとすると1年は366日ということになります。

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